No.17 ブリキの頭にガラスの目、陰で舌出す妖怪変化

 鈴木宗男議員政府開発援助に絡む不正、加藤紘一議員の秘書による脱税、政治資金の生活費への流用疑惑等など、何十年も前から続いている、まるでビデオの再生映像を見ているような自民党議員達の醜聞に続いて、今度は社民党の花形スターだった辻元清美議員の政策秘書の給与流用疑惑と政界は相変わらず醜聞に明け暮れています。

 各政党は自浄能力を失ったかのように他党の攻撃には鋭く、身内には甘い対応を示し 政界への国民の不信と其れにもとづくファシズムの台頭や外国資本の蹂躪(じゅうりん)の危険性について気づいていません。
 目やにが鼻垢(はなあか)を笑うようにお互いに足の引っ張り合いをしながら、政治や、政治家への不信感がどんどん高まっている事に対して何の手を打てない状況です。
マスコミはハゲタカやハイエナのように、叩かれ 弱ってきた政治家に対しては腐肉をついばむように群がって攻撃を加えますが、強い政治家に対しては全く沈黙を守って物を言えません。
そしてその報道の取り扱いも 国家の中枢に入り込み、政策を捻じ曲げたり、税金を恣意的に使ったり、政治資金として自分の所に還流させるなどと言った政治家としての重大な背信行為と政策秘書の給与を他の秘書に流用したと言ったそれほど重要とも思えない(法律違反には違いないかもしれませんが私用に使った訳でもないようですのに)事件と一緒にして騒いでおります。

 何が一番大切なのかと言う事、即ち取り上げるべき事柄の軽重についての考察する智恵も無くニュース性のみを唯一の選択基準として報道を垂れ流しています。
大衆は利口なようで愚かです。目先に何かをちらつかせられると、本質を見失ってしまい、ついつい 其れに飛びついてしまいがちです。
闘牛の牛が、本当の敵である闘牛士に突っかかるのでなく、目の前にちらつかされる赤い布に向って突進するのに似ています。
 ニュースの場合も其れを流す側の意図を憶測する事無く(ある人の過去のスキャンダルを週刊誌等に流し失脚を計る等といった手法は政治家の常套手段です)又その軽重について熟慮する事も無く全てに飛びつき反応していますと、気がついたらとんでもない所に連れて行かれてしまっていた(ファシズムの世界とか外国資本に支配された準属国の世界のような所)等と言う危険性があります。
 親切ごかしのアメリカ政府要人の忠告も眉に唾つけて聞いていないととんでない目に逢いそうです。宗教にしてもそうです。牧師の意志はどうあれキリスト教が欧米の植民地主義のお先棒を担いできた事は歴史上の事実です。

美 術品と言うと、政治の世界とは全く別だとお考えでしょうが、実際には大変な影響を受けております。いつの時代でも弱い国の文化は、常に強い国の文化に強い影響を受けます。そしてそこには国家戦略が潜んでいる事を見抜く必要があります。
 戦後 アメリカを中心とする現代美術が世界を席捲しましたが、これにはアメリカの国家戦略とアメリカ資本の商業主義による大々的な仕掛けが介在している事を知っておく必要がありそうです。
 従って現代美術の収集、鑑賞に際しては評論家の言う事をうのみにせず、もう一度冷静に考え、自己の目で観、自分の頭で考える必要が有りそうです。
美術品の歴史的な価値と、芸術性とは必ずしも一致しませんから、その点を頭に入れておくべきです。
 美術館のような公的機関が、展観の必要性から美術史的に必要なものを収集するのと、個人が生活の質を高めようと思って収集するのとは全く別 の次元の物だと考えた方がいいのでは無いでしょうか。