No.14 京都お勧めスポット

 大河内伝次郎と言う人を知っていますか。昭和初期の大俳優だそうですが、こんな名前を知っていらっしゃる人はかなりのお年か(こんな事を言ったら失礼かな)、大変な映画通くらいだと思いますが、皆さんはどちらですか。

 さてこの大河内さんが生涯を掛けて作られた別荘を大河内山荘といいます。京都の嵐山、渡月橋近く、保津川を見下ろす山の中腹に建っています。建物は古いお寺の庫裏のような作りで、中は立ち入り禁止ですから、外から眺められるだけですが、緑の木々の中にぽっかりと姿を現しているその姿は幽玄にして荘重、まさしく日本と言った趣です。建物も素晴らしいですが、山の斜面の大半を利用してつくられた庭園は広く、もとからあったであろう地形を巧みに利用して作られ、裏山を借景にして、保津川を見下ろす景色は本当に絶景です。庭を覆っている植物群はあまり手が加えられずに自然が残っていて、 とても落ち着きます。限られた区画の中に一つの宇宙や世界、哲学等を具現しようとしているお寺の庭園とは又、別の趣があります。
 この庭園の一角に小さな料亭があるのですが、お料理は3000円からあり、とてもお値打ちです。普通の京料理の味よりはほんの少し濃い目の感じですが、とても美味しく、美しい景色を見ながらの味は又格別で、是非一度味わってみられては如何でしょう。バブルがはじけた今も海外旅行のブームが続いているようですが、日本に生まれ日本に育ってきた私たちにとって、山紫水明の京都郊外の景色は本当に日本人の原風景、心の故郷といった趣があります。
外国生活から久しぶりに帰ってきた妹などは、この景色に感激して「ああ日本に帰ってきたんだ」と叫んでいました。関西方面中部方面にお住まいの皆さまは値段もお手頃ですし、是非一度訪れられる事をお勧めします。
 大河内山荘を下ってきた所に、老松というお菓子やさんがありますが、ここの夏みかんゼリーも絶品です。少し値は張りますが、お土産にお勧めします。(頼まれてサクラとして宣伝している訳ではありませんから、誤解しないで下さいね。又期間限定ですので何日でもあるという訳ではありません。)

 良い美術品を集め、それに囲まれての生活は、心を豊かにしてくれます。逆に良い絵を集めるためには、心豊かでなければならぬと言われています。単に優れた美術品を見て歩くだけでなく、美味しい料理を食べ、良い景色を眺め、良い家具に囲まれ、そして音楽も、お芝居も、住まいも、衣装も、美しい物、楽しいものすべてを味わっていくことです。
 こうして感性を磨き、心豊かに生活していくことによって、良い物は良いと言った目が自ずから出来てくると言われています。実際古来収集家として知られている人の多くは このような数寄者だったようです。考えようによっては、美術品の収集と言うのはとても贅沢な遊びなのです。そのため美術品の収集が道楽の終着駅と言われるのも、もっともな事でしょう。